月ノ浦執務室

アクセスカウンタ

zoom RSS ● スペースチャンネル5 パート2

<<   作成日時 : 2011/10/07 20:00   >>

ブログ気持玉 0 / トラックバック 0 / コメント 0



 スペースチャンネル5は2000年あたりに製作されたセガの“音楽ゲーム”。10年に始まった「ドリームキャスト復刻プロジェクト」というキャンペーンでそのパート2が配信専用タイトルとしてPS3に移植されました。


 音楽にあわせてキーを叩いていく“音楽ゲーム”は今や一般的なゲームジャンルとなった。スペースチャンネル5はそんな音楽ゲームというジャンルの黎明期にあったゲームである。

 その“黎明期”は、任天堂に対峙して“ゲームハードメーカー”としてゲーム会社・セガが奮闘していた時代である。そんな折にプレイステーションをひっさげて新たにゲーム業界に参入してきたソニーが送り出した、新機軸音楽ゲームが“パラッパラッパー”。これに対抗して作ったゲームがスペースチャンネル5である。音楽ゲームの先駆けとなったのは矢張り「パラッパラッパー」だろう。相手のお手本音楽を聴き、自分がそれを再現する、という交代で進める“ターン制”。スペースチャンネル5でもそれに倣って造られている。

 しかし後にない、と思えるのは“耳コピ”に拘った点である。いまや溢れるほとんどの音楽ゲームは、音楽と共に表示されるタイミングを示すなんらかの合図にあわせて“視覚的に”タイミングをとっていく事が出来るものがほとんど。場合によってはお手本すらなく、記憶と視覚情報だけでこなしていく音楽ゲームもある。しかしスペースチャンネル5は、お手本を“音として”頭に叩き込み、反復しながらボタン操作だけでそれを再現するスタイルなのだ。視覚は程良い“ヒント”に留めてある。音楽、演奏の楽しさをより良く表現できるのは、この“耳コピ”なんだと思う。


 セガの悪いところは、常に“対抗”という位置で市場展開して来たところじゃないかなぁって思う。ファミコンに対してメガドライブ、マリオに対してソニック、みたいに。だからいつも“二番煎じ”で切り捨てられてしまうのだけれど、ちゃんと見れば、沢山の“オリジナリティ”が込められているのです。僕はどちらかと言うと、セガ信者でした。スペースチャンネル5にもオリジナリティが溢れてると思います。


 “リズムにのる”というゲーム性は、ダンスという形で物語世界に投影される。正しいリズムでプレイヤーが操作すると、主人公がそれに合わせてダンスを繰り広げる。駄目プレイの時は駄目プレイなりの“駄目ダンス”が展開するのも面白い。そうしてプレイの出来でダンスの流れも替わり、調子が良ければそれに呼応して舞台も盛り上がり難度もあがっていく。ゲームでしか味わえない世界とのインタラクティブな繋がり、リンクを有するゲームシステムは秀逸。そんな臨場感溢れる“ダンス対決”という形で物語は進んでいく。これは映画「ウエストサイドストーリー」のような、不思議な、でも楽しい“ミュージカル”の世界だ。

 舞台は遠い未来。宇宙に進出し銀河で生活する人類に訪れた危機、それは“ダンスの力”で人を操り“支配する”謎の組織の襲来だった。対抗するのは新米女性リポーター“うらら”。“踊り負けない”、そのダンスセンスを武器に、銀河の命運を賭けた戦いが展開する。ゲームのセンスに合わせて、あえて大げさに言っています。お馬鹿な設定ですが、“踊らされている人々”って言葉が、なんだか意味深です。

 遠い未来の宇宙を舞台とする、一見とっつき難いぶっ飛んだ世界観とセンスは“SF”と略される前の、古いサイエンスフィクションの世界観であろう。21世紀もまだまだ遠い、未来技術が空想世界とイコールであった頃のある種チープな未来像。それらがまぶしい原色・極彩色のファッションとステージで視覚的に彩らている。「メキシカンフライヤー」をテーマソングとする音楽は、70年代風ディスコサウンド、そしてジャズ色を強く見せ、聴覚を刺激する。
 このゲームが描く置いてけぼりな未来的センスは視覚も聴覚も、実は過去の古き良き時代のセンスが支えているのである。

 ダンスの力で悪と戦う!という突拍子の無い設定は、東京ディズニーランドにて最近復刻し、期間限定アトラクションからレギュラーに昇格した、故・マイケルジャクソンの「キャプテンEO」の世界のオマージュと言える。うららはキャプテンEOがごとく、人を“踊らせる”謎の悪の集団から救出した民間人と共に踊りながら“ダンスの力”で戦っていく。マイケルジャクソンはなんと、このスペースチャンネル5にも声優、否、“本人”として出演している。

 スペースチャンネル5の見せる“ミュージカルな世界”は、マイケルのmusic clipに詰まる魅力を醸し出していて、初作の“民間人”から“放送局長”に昇格したマイケルの登場するパート2では、初作以上に“マイケルダンス”が取り入れられている。マイケルファンには絶対お勧めのゲームでもあります。

 うらら、マイケルの他にも魅力的なキャラクターが沢山登場します。一般人ですら愛らしい。報道規制という権力と戦う“宇宙海賊放送局”のリーダー・ジャガーが渋い。設定が凄い。そして、うららをインカムで常に寄り添ってサポートする、姿を見せない声だけのキャラクター、ディレクター・ヒューズが魅力的です。ちょっとSっぽいけど、どこか可愛らしい“上司キャラ”。この“声”、実はゲーム自体のディレクター、つまり素人なのです。製作時に仮当てした声が絶妙で、そのままキャラクターとして採用された、という逸話があるそうです。
 うららの声優も秘密のままになっていて、エンドロールでは“herself=彼女自身”なんて書かれています。うららのキャラクター、謎の声も、ゲームの魅力のひとつです。彼女の発する“やんわり”とか“だいぶ”とか“あらかた”とか、リポーターとしてはありえない不正確だけれどなぜか伝わるファジーな表現はその多彩さに逆に博識を感じさせてるし、“凄くすごい”等の間違った日本語は突っ込みどころ満載ながら新感覚の日本語表現で非常に楽しい。

 PS3版の出来はとても良いです。HD画質にアップグレードされた映像は、高画質環境に見事にマッチしています。逆に当時のスペックで製作録画されたムービーシーンのクオリティを低く感じてしまうのが残念。

 普通のゲームで音楽にノリノリでプレイしたらちょっと変人だけれど、このゲームはノリを求められる“音楽ゲーム”。ゲームの楽しさを知らない、でも音楽は好き、という人がいたら、是非プレイして欲しい。“音楽とダンス、そしてゲームを愛する全ての人へ”、お勧めするゲームです。


スペースチャンネル5 パート2
セガ/ユナイテッド・ゲーム・アーティスツ
2002-02-14

amazon.co.jpで買う
Amazonアソシエイト by スペースチャンネル5 パート2 の詳しい情報を見る / ウェブリブログ商品ポータル


テーマ

関連テーマ 一覧


月別リンク

ブログ気持玉

クリックして気持ちを伝えよう!
ログインしてクリックすれば、自分のブログへのリンクが付きます。
→ログインへ

トラックバック(0件)

タイトル (本文) ブログ名/日時

トラックバック用URL help


自分のブログにトラックバック記事作成(会員用) help

タイトル
本 文

コメント(0件)

内 容 ニックネーム/日時

コメントする help

ニックネーム
本 文
● スペースチャンネル5 パート2 月ノ浦執務室/BIGLOBEウェブリブログ
文字サイズ:       閉じる