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zoom RSS ○ 容疑者Xの献身

<<   作成日時 : 2011/10/08 05:13   >>

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 原作は東野圭吾の「探偵ガリレオ」シリーズ。短編集である第1弾、第2弾が福山雅治×柴咲コウ・主演によりドラマ化、その好演で人気を集め、満を持して同名小説のシリーズ第3弾が映画化された。福山雅治演ずる天才・湯川に対峙する役として堤真一が抜擢。これは堤真一の主演映画、と言って良い作品だ。

 ドラマシリーズは直感を頼りに動く行動派、新人女性刑事・内海と、「全ての事象には必ず理由がある」が持論の論理派、大学准教授・湯川のコンビが、超常現象が起きたとしか思えない“事件”の真実を暴いていく一話完結を基本とした刑事ドラマ。
 原作との大きな相違点は主要キャストである内海の存在である。小説で湯川の相棒になるのはドラマにもちゃんと登場する草薙という男で、内海はドラマ向けに造られたまったくのオリジナルキャラクターである。草薙を女性に設定変えしたのではなく、別人を入れ込んだ点は実に面白い。

 ドラマは第1弾「探偵ガリレオ」、第2弾「予知夢」を元にすべての放送回が造られているが、湯川と内海のラブストーリーが盛り込まれていたり、トリック以外の設定を大きく変更している回があったりと“テレビドラマ化”の為の再構成が大胆に行われている。物真似が流行った「実に面白い」等のキャッチーな台詞も、ドラマオリジナルである。
 

 「容疑者Xの献身」は完成された一本の小説であるだけに、映画化されるにあたってこのテレビドラマの再構成がどう影響したのかは実に興味深かった。しかし内海という存在の介入に悪い影響はなく、ラブストーリー的展開もとても控えめ。原作の描くものを非常に大事にした映画化であると感じた。
 その割りに原作に無い“雪山登山”のシーンなども追加されていて、映画らしいスケールアップを遂げている。導入部分の大爆発な“実験シーン”も、本編の邪魔をしない様に、でも映画としての魅力をちゃんと引き上げられるように、上手いこと取り入れられている。

 テレビシリーズは「怪奇現象としか思えない事件を科学的に暴く!」という探偵スタイルがウリであると思うけれど、映画はそういう要素がほとんどなく、天才対天才の対決、いやむしろ湯川のライバルであるひとりの人物を追う、という物語である。

 その主軸になる人物が堤真一演じる数学者“石神”。湯川が「天才」と呼ぶこの男の“献身”は、その真意を中々見せることが無い。観る側にすべてを見せているようで、謎は最後まで残る。東野圭吾が沢山の文章で綴った石神という人物を、堤真一が演技によって見事再現している。小説だと、気持ちが表現されている部分、隠されている部分は明確であるけれど、演技となるとその区分は曖昧になる。初見では“何を考えているか解らない男”、そして解らないがゆえの“ミスリード”により、観る者を騙す。真相が解って改めてもう一度観れば、その真意とのリンクがちゃんと見える、という様な難しい演技を、堤真一はこなしている。
 石神は原作では“ダルマの石神”の異名をとる、ちょっと不恰好な人物。見た目、本当に恰好良いと僕が思える堤真一は、こういう恰好悪い役を魅力的に演じきれる、本当に凄い“役者”だと思う。


 天才物理学者・湯川 対 天才数学者・石神。ライバルとして対峙するふたりであるが、この物語は彼らの“友情”を語った物語なのです。探偵としてその役を全うした“ガリレオ”の苦悩は、映画では言葉で語られていません。福山雅治が演じた湯川が“許せなかった事”は、小説で知って欲しいと思います。


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