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zoom RSS ● ルナティックドーン オデッセイ

<<   作成日時 : 2011/10/11 20:54   >>

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 硬派な中世ファンタジー世界を舞台にした冒険者生活ゲーム。大陸の街をあちこちと行き来しながら、期限の決まった依頼をこなす“旅ゲー”。コマンド主体の見せ方が珍しく、ランダム生成による人物と依頼により、上手いこと世界に奥行きを見せているのが特徴的。

 グラフィックは劇画調、人物は実写を加工して造られた様な“実写風”。ロード・オブ・ザ・リングの様な古典的なファンタジー世界を意識していて、童話調、アニメ調の国産ファンタジーとは一線を画す。シリーズは共通して、ひとりの主人公を追う一本筋シナリオではなく、用意された世界を主人公=プレイヤーがいかに生きるか、を楽しんでいくような、自由度の高さを狙ったゲームになっている。

 大陸に点在する街には宿屋があり、プレイヤーはそこで“依頼”を受ける。届け物であったり、買い物であったり、人探しであったり、別の街へ移動する人物の護衛であったり。依頼には期限が決められていて、街間の移動で日数が経過する。依頼は期日内に元の宿屋に戻ることで報酬が発生する。道中、悪漢に襲われる等、ファンタジー世界らしい難関はあるものの、それが無くともこの“残り日数管理”という要素だけでも非常にゲーム性が高い。

 移動には馬や船を利用する際の“交通費”というものも存在して、徒歩であればタダで済む替わりに時間を費やし、交通機関を利用すれば出費がかさむ。堅実にひとつひとつこなしていく方法もあるが、効率を上げる為には“依頼の掛け持ち”を上手くこなす必要が出てくる。スケジュールが上手く組めれば、移動手段に対する出費があってもリターンが生まれるのだ。
 お金があれば性能の良い装備を手に入れられるし、経験を積めば自身を鍛えることも出来るようになる。しかしそれら冒険者の“収入”は依頼をこなすことで得るのが基本となる。特に最初のうちは効率よく依頼をこなすこと、その“スケジュール管理”が大切になってくる。先の予定を見越しての計画的な“旅”。旅先で新たな依頼を加えたりしながら、己の手で自らの旅路、シナリオを構築していく。これが見えると、このゲームは面白くなる。


 この自由な冒険世界を演出する為に、先に述べた“ランダム生成”という造りが活かされている。依頼は「依頼主」「報酬」「どこに」「なにを」といった各要素がランダムに組み合わされて“同じ依頼”という印象の少ない、多岐にわたる依頼を表現している。それらが各街でランダムに提示されるから、プレイの度に違う展開が待つように見える。
 また、大陸各地で出会う住人や冒険者、依頼人や賞金首はそれぞれがランダムに与えられた顔と名前を持っている。見覚えのある顔や名前であってもその組み合わせで“同じ人物”の印象が薄い。常に新しい人に会っているような錯覚が生まれる。しかし顔と名前の組み合わせはある程度データ維持されるのか、旅先で良く会う人物、のような顔見知りもいたりする。
 街の酒場にいる冒険者の中から、自分のパーティーに加わってくれるキャラクターを探すことで“仲間”を作る。この仲間作りも癖がある。快くパーティーに加わってくれるキャラクターには、顔と名前の他に、ゲームに関わる年令や能力値、覚えている魔法…と、さらなる個性が与えられる。それぞれがピンきりで、仲間として“使えるかどうか”の分かれ道がそこにある。

 キャラクターには「称号」と言うものもある。ゲームには関係の無い要素であるが「怪力」だとか「修行僧」といったある意味普通の称号らしい称号は少なく、「腰砕け」とか「人見知り」などと言う“悪口か?”と思える情けない称号がどうしても目立つ。主人公にも称号はあり、成長とともに冒険中に変化していくが、仲間の称号は変わらない為、出会ったその時が最終決定。顔と名前、能力、そしてこの称号まで気にしてしまうと、魅力的な仲間を探すだけでも骨が折れるというわけだ。


 主人公には冒頭で名前をつけることが出来、性別も選ぶことが出来るのだが、ここでもすんなりとは始めさせてくれない。旅立つ前に、育ての親との会話でキャラクターの顔と初期の能力値が決まる、という仕組み。生い立ちを思い返す、という設定であろう。やり直しは可能で、やり直しの都度顔が変わってしまうのはご愛嬌か。
 ゲーム中盤は筋力、知性などの能力値のうち、どの能力値から育てるかでキャラクターの個性が出せるが、最終的にはどの能力値も最高にできる上、職業という概念もなく、魔法もすべて修得できる為、終盤には能力的な個性はなくなってしまうのがちょっと残念。全能力値最大、いわいる“カンスト”狙いが容易なゲーム。せっかく時間の流れや年齢、仲間との“結婚”などの要素があるのだから、カンスト前に世代交代を必須にして、プレイヤーの操る“主人公”を、じわじわと高めていくようなゲームだったら良かった。いや、それを妄想させる辺り、描く世界の狙いとしてはそんな展望もあったのかもしれない。

 装備品にも“古典的ファンタジー世界”表現へのこだわりを感じる。ブロードソード、バトルアクス、といった王道武器。レザー、チェイン、ラメラー、プレートなど、防具も古典的ながら種類が豊富。高級なら安物より強い、ではなく、威力はあるが重いものや、軽いけれどヤワなものなど、個々に利点が生まれるように種類分けがされている。どの組み合わせで装備を整えるか、キャラクターの個性に合わせて考える。主人公や仲間に対して“想像力を働かせて”コーディネートし、ひとりの人物、ひとつのパーティーを作り上げる。
 このゲームはコンピューターゲームが主流になるより前、RPGという略語がまだロールプレイングゲーム=演じて遊ぶゲーム、という言葉の意味をちゃんと持っていた時代に在った“テーブルトークRPG”というボードゲームを思い出させる。


 依頼を上手くこなせなかったり、犯罪に手を染めてしまうとお尋ね者になる。悪人として生きることも可能で、その場合は悪人専用の依頼、密輸や誘拐、暗殺などの裏の仕事を受けていく。“善悪値”という、善人であるか、悪人であるかをしめすパラメーターが、主人公の人生を決めていくのもゲームの特徴。
 街はすべてコマンド選択で表現されていて、一般的な“キャラクター操作”を要するのは2Dのダンジョン探索シーンのみ。対モンスターや敵パーティーとの戦闘シーンを挟みつつ、様々な依頼をこなすことでこのゲームの“旅”は続いて行く。

 そして最終的にはいくつかのエンディングの中の一つに辿り着く“マルチエンディング制”。このゲームは隠し要素が多く、武器防具など普通に依頼や探索をこなしていては手に入らない物があったり、ちょっとしたありふれた依頼が特別なイベントにつながったりする。しかし本当に隠してあるので、普通に進めるとそんな隠しイベントがあることにすら気が付かない。そもそもゲームクリアの条件も具体的にはわからないので、どうすればエンディングに辿り着くかが明示されていない。倒すべき魔王がいるわけでなく、手に入れるべき財宝があるわけでもない。ゲームとして目的を失いがちなのは痛い所。このゲームはエンディングを探すこと自体がひとつの目標なのである。しかしゲームの世界に嵌り、自分で目標を立てて遊ぶことが出来れば、自然とそれら「隠し」や「ゴール」には当たるはずだ。

 ゲーム中の世界を広く見せる工夫はとても上手く、“冒険をする”という感覚に浸れる隠れた良ゲーム。ただレトロゲームだけあって作りこみが甘く、ゲームバランスが悪い。色々試しているうちに、変な攻略法が見つかってしまう。言ってみればそんな自分なりの“抜け道”を探すのも楽しさのうちかもしれない。

 それでも!“冒険世界”に浸れる、独特の臨場感は魅力的だ。過密スケジュールをこなしていくのが得意な人にお勧めの、シミュレーション色の強いRPGだ。


※ こちらはPS3のゲームアーカイブで、600円でダウンロード販売中也


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