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zoom RSS ○ フライ,ダディ,フライ

<<   作成日時 : 2011/10/19 08:23   >>

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 目を引くジャケットと裏腹で、ただ明るくノリの軽いコメディ、という訳ではありません。開始15分は目を背けたくなるような重い事件。それを乗り越えていく「平凡な男」と、それを導く「男の中の男」の話。師と弟子の関係で始まり、親友となり。そして。

 平凡なサラリーマン鈴木。良い娘と良い奥さんを持つ「平凡な男」。普通であるからこそ、普通の父親の情けない面も持ち合わせる。男としては本当に平凡な、普通の父親。
 在日高校生の朴(パク)。漫画から抜け出たような「男の中の男」。高校生でありながら、クールで渋く、ストイックで強い。鈴木に欠けている「強い男」と言える要素をすべて持っている。

 少年である朴は、大人である鈴木へ、男を教える師となる。大人から子供へ、ではなく、子供から大人へ。この逆転の面白さが、この話の主軸だ。

 しかし物語を見ていると、朴のほうがどこかしら鈴木に興味をひかれているんだな、というのがわかる。「男」をすべて持っていると見えていた朴が、唯一持っていなかった、満たされていなかったもの。それが「父親」という男のあり方だったんだろう。

 映画の主人公は鈴木であり、話は鈴木の成長を描いている。しかし、朴の心こそ、この映画の魅力だと僕は思う。朴が漫画のようなキャラクターになったのには、ちゃんと理由がある。
 彼自身が強くなろうと思った「きっかけ」となる事件は話の中で語られているが、なぜ、それを貫いたのか、いや貫けたのかは明確には語られていない。
 彼は孤独だった。父親どころか、家族にも彼は満たされていなかった。友達も、おそらくいなかった。時間ばかりがあるから、ひとりで体を鍛えた。
 鈴木に課していた嘘のような修行は全部、朴が過去に自分に課していた修行、否、彼の孤独を埋める「ひとり遊び」だったんだろう。
 
 対して鈴木が貫いたのは家族愛。朴がずっとあこがれていた「家族への愛」。それが実を結び、目の前で羽ばたく姿を見たくて、朴は『そう』叫んだのだ。

 鈴木役は堤真一。朴役は岡田准一。SPコンビが過去にみせた傑作。映画のワンシーン、朴が鈴木に実戦を説く「戦い方を教えてやる」の場面は、5分間の長回し。ノーカットで芝居と台詞とアクションとが展開する。実に良く出来た自然なシーンだけに、油断しているとそのシーンの凄さを見逃してしまう。是非、ふたりの真剣な演技にここで注目してほしい。

 堤真一と岡田准一、この頃から演技への共通の拘り、みたいな「繋がり」を感じさせた。そんなふたりが、後にSPで再競演、いやついに激突したのだ。


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